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メロスは、ざんぶと流れに飛び込み、百匹の大蛇のようにのた打ち荒れ狂う浪を相手に、必死の闘争を開始した。

四国めたん

満身の力を腕にこめて、押し寄せ渦巻き引きずる流れを、なんのこれしきと掻きわけ掻きわけ、めくらめっぽう獅子奮迅の人の子の姿には、神も哀れと思ったか、ついに憐愍を垂れてくれた。

雀松朱司

押し流されつつも、見事、対岸の樹木の幹に、すがりつく事が出来たのである。ありがたい。

雀松朱司

メロスは馬のように大きな胴震いを一つして、すぐにまた先きを急いだ。一刻といえども、むだには出来ない。

No.7

陽は既に西に傾きかけている。

春日部つむぎ

ぜいぜい荒い呼吸をしながら峠をのぼり、のぼり切って、ほっとした時、突然、目の前に一隊の山賊が躍り出た。 「待て。」

冥鳴ひまり

「何をするのだ。私は陽の沈まぬうちに王城へ行かなければならぬ。放せ。」

玄野武宏

「どっこい放さぬ。持ちもの全部を置いて行け。」

冥鳴ひまり

「私にはいのちの他には何も無い。その、たった一つの命も、これから王にくれてやるのだ。」

麒ヶ島宗麟

「その、いのちが欲しいのだ。」

雨晴はう

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