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それが高い帆柱の真上まで来てしばらく挂っているかと思うと、いつの間にか大きな船を追い越して、先へ行ってしまう。

青山龍星

そうして、しまいには焼火箸のようにじゅっといってまた波の底に沈んで行く。

春日部つむぎ

そのたんびに蒼い波が遠くの向うで、蘇枋すおうの色に沸き返る。

猫使アル

すると船は凄すさまじい音を立ててその跡を追っかけて行く。けれども決して追つかない。

あいえるたん

ある時自分は、船の男を捕つらまえて聞いて見た。 「この船は西へ行くんですか」

剣崎雌雄

船の男は怪訝な顔をして、しばらく自分を見ていたが、やがて、 「なぜ」と問い返した。

青山龍星

「落ちて行く日を追かけるようだから」  船の男はからからと笑った。そうして向うの方へ行ってしまった。

猫使アル

「西へ行く日の、果はては東か。それは本真ほんまか。東出る日の、御里は西か。それも本真か。身は波の上。かじ枕。流せ流せ」と囃はやしている。

琴詠ニア

舳へさきへ行って見たら、水夫が大勢寄って、太い帆綱ほづなを手繰っていた。 自分は大変心細くなった。

春日部つむぎ

いつ陸おかへ上がれる事か分らない。そうしてどこへ行くのだか知れない。

ナースロボ_タイプT

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