start end

title

立膝をしたまま、左の手で座蒲団を捲って、右を差し込んで見ると、思った所に、ちゃんとあった。

ちび式じい

あれば安心だから、蒲団をもとのごとく直して、その上にどっかり坐った。

後鬼

お前は侍である。侍なら悟れぬはずはなかろうと和尚が云った。

白上虎太郎

そういつまでも悟れぬところをもって見ると、御前は侍ではあるまいと言った。人間の屑じゃと言った。

雨晴はう

ははあ怒ったなと云って笑った。口惜くやしければ悟った証拠を持って来いと云ってぷいと向をむいた。怪しからん。

玄野武宏

隣の広間の床に据えてある置時計が次の刻を打つまでには、きっと悟って見せる。

雀松朱司

悟った上で、今夜また入室する。そうして和尚の首と悟りと引替にしてやる。

雨晴はう

悟らなければ、和尚の命が取れない。どうしても悟らなければならない。自分は侍である。 もし悟れなければ自刃する。

冥鳴ひまり

侍が辱しめられて、生きている訳には行かない。綺麗に死んでしまう。

中国うさぎ

こう考えた時、自分の手はまた思わず布団の下へ這入った。そうして朱鞘の短刀を引き摺り出した。

ちび式じい

Books

檸檬 NEW

梶井基次郎

夢十夜

夏目漱石

走れメロス

太宰治

雨にも負けず

宮沢賢治

羅生門

芥川竜之介